プレミアムシガー入門

プレミアムシガー(最高峰のたばこの世界)

  • 100%たばこ葉のみ

    プレミアムシガーは中心部のフィラー、外側のバインダーとラッパーという構造で成り立っています。使用されているのは純粋なたばこ葉のみ。フレーバーや添加剤などは一切含まれていません。

  • 100%ハンドメイド

    プレミアムシガーは一本一本が熟練した職人によって、完全にハンドメイドで巻かれています。プレミアムシガーが高価なのは質量が多いほかに、これが最大の理由です。

  • 最高峰の技術・ノウハウ・管理下で作られる

    歴史のある工場から生まれるプレミアムシガーは、各ブランドごとに厳格な製品管理と製造工程を経て出荷されます。ハイクラスの顧客を落胆させないよう、そのプライドは各ブランドごとに守り続けられています。

プレミアムシガーは一本あたり長時間の喫煙を可能とするため、時間のあるときにゆっくりと楽しむスモーキングスタイルです。標準的なコロナサイズでおおよそ50分~1時間程度は喫煙可能となっています。デイリーでシガリロ、月にプレミアムシガーを数回という楽しみ方の方も、たくさんいらっしゃいます。

プレミアムシガーは保管に湿度管理が必要なたばこです。ヒュミドールという保管箱で70%前後で調湿して保管するのが一般的です。著しく乾燥したり、過加湿の状態では、本来の味わいを大きく損ないます。高価な一本が台無しになってしまいますので、保管には注意が必要です。ヒュミドールは一般的にも市販されていますが、ほとんどのものが木製で内部にスペイン杉を使用しています。スペイン杉は多孔構造のため、湿度管理に適しているといわれています。タッパーやジップロックなどを使用する際は、通常、湿度計での管理が必要です。管理が面倒という場合はBOVEDAのヒュミデイパックなど、加湿・除湿が可能なツールを使用するとよいでしょう。

プレミアムシガーはたばこの中では、もっとも着火に注意を払う必要があり、着火に失敗するとせっかくの一本が台無しになってしまいます。適切なツールをそろえて、ゆっくりと時間をかけて着火する必要があります。


  1. 着火前に葉の香り、ラッパーの痛みや穴を確認します。

  2. 第一の着火は口にくわえません。片手でホールドし、45度または180度の角度で先端のフィラーをしっかりと炙ります。この工程はロースト(炙り)と呼ばれ、葉巻では常識の手順です。先端のフィラーが全体的に白く炭化するまで、むらなく、しっかりと炙りましょう。このとき、外側のラッパーをできるだけ焦がさないようにします。時間的には強力なターボライターでも一分程度は必要です。シガー用マッチなら2本以上を使用してたっぷりと炙る必要があります。

  3. ローストが完了したら、いよいよ口にくわえて着火します。片燃えしないように均等に燃え進むように、しっかりと着火しましょう。口でスパスパと吸い込みと吹き込みを繰り返して、先端から炎があがるくらいにしっかりと行ってください。

  4. 吸い方はあくまでも「ゆっくりと」紙巻たばこのようにスパスパ吸うようなことはしません。よく言われるのが、「ジュースをストローで吸うように」ゆっくりと吸い込みます。吸い込む感覚も1分間に一回程度のゆっくりとしたペースで、ゆったりと吸います。スパスパ吸うと燃焼温度が上昇し、辛味が増して味を損ねることになります。

  5. シガリロは燃え進むと灰がしっかりと残っていきます。ここで紙巻たばこのようにトントンと叩いて、灰を落とさないようにします。葉巻は可能な限り、灰を落とさずに残しながら楽しみます。落ちそうになった時点で、灰皿で折る程度で十分です。

  • 吸い方のコツ

    プレミアムシガーは基本的に肺喫煙はしません。ここで多くの人が勘違いするのですが、口の中だけでパカパカとふかすのではなく、煙をたっぷりと口に含み、煙を十分に味わうということを忘れないでください。単純に口蓋内で軽くスパスパやるだけでは、味の深みやストーリーを感じることができず、本来の味わいが楽しめません。

    あくまでも原則ですので「絶対に肺に入れない」ということではありません。軽いテイストのものでは肺喫煙も可能ですが、ほとんどのプレミアムシガーは肺に入れると、むせてしまうことがあります。ニコチンとタールは紙巻たばこの比ではありませんが、余計な添加物は含まれていないため、ご自身の好み、体調に合わせて調整してください。

  • ライターについて

    着火はライターまた葉巻専用の長いマッチを使用します。ライターは必ずガスタイプのできるだけ火力の強力なものを使用します。オイルライターは匂いで台無しになりますので、絶対に使用しないでください。一般的な100円ライターでも着火は可能ですが、火力が弱いためローストだけでもかなりの時間を要します。ターボタイプの多フレームタイプのライターがおすすめです。

  • どこまで吸える?

    すべてたばこ葉でできていますので、原理的には全部吸えます。持つ部分を残してなら根本ギリギリまで楽しむことができます。味わいの変化は葉巻同様ですので、根元に近づくほど濃厚になる傾向が多いです。逆に早々とストップしてしまうと、この味わいを放棄することにもなります。

  • 辛くなってしまったら

    ゆっくりと吸う「クールスモーキング」が基本ですが、吸い方が悪いと辛味が出て不味くなります。このときは吸い口から息を吹き込んで、辛い煙を排出するようにします。この工程は「吹き戻し」と呼ばれ、葉巻ではよく使うテクニックです。吹き戻しを行うと燃焼温度が一時的に上昇しますので、しばらく待ってから喫煙を再開しましょう。

プレミアムシガーの選び方

  • 最高峰はキューバンシガー

    たばこ葉の頂点といわれるキューバ製ハバナ葉を使用したキューバ製のものが、最高峰のプレミアムシガーとされています。味わい、香り、深み、ストーリー性が格段に優れていて、他のものとは別格の素晴らしさをもっています。これから入門される方はまず、この本物の味を体験したほうがよいでしょう。キューバンシガーについては、かの吉田茂とマッカーサーの逸話が今も語り継がれています。

    「マッカーサーはコーンパイプと同時に、葉巻も吸っていたそうです。吉田が葉巻党であることをマッカーサーもよく知っていて、「きみもどうかね?」とすすめます。そのすすめめ方が気に入らなかったのか、マッカーサーのすすめる葉巻を、「そいつはマニラ産でしょう。わたしは、ハバナのもの以外は吸わないのですよ」といって断った」

    キューバ製シガーは、すべて「ハバノスS.A.」といういわば国営会社から出荷されており、パッケージボックスにはキューバンシガーの証明であるワランティシールが必ず貼付されています。御三家といわれる「コイーバ」「モンテクリスト」「ロメオ・イ・フリエタ」のものを選べば、間違いありません(ほかにもトリニダッドやパルタガスなど数多くブランドがあります)まずはこの本物の味を試すのが得策といえます。


  • シガリロの味わい

    味わいの表現は「甘み」「酸味」「アーシー(土臭さ)」「ナッティ(香ばしさ)」などの表現がなされます。また燃え進むにしたがって、味わいが刻々と変化するストーリー性も持ち合わせています。前述のキューバンシガーは、この味わいの深みが別格で非常に優れているため、代替のシガーは皆無です。原材料となる葉が国内で厳格に管理されているため、門外不出となっているためでしょう。

  • コストパフォーマンス

    それでもキューバンシガーをデイリーで楽しむには、やはりコストが気になります。喫煙時間がないという方も多いでしょう。そこでデイリーではシガリロやローコストシガーなどの製品をセレクトすれば、コストを格段に下げることができます。ローコストシガーでおすすめなのが、「ニカラグアやフィリピン」産のものです。フィラーやラッパーに独特のこだわりがあり、巻きも丁寧なので、質の良いものが多いです。ただし、フィリピンシガーは独特のフィラーを使用しているので、比較的ニコチン酔いしやすい傾向があります。