たばこ入門

手巻きたばこ

手巻きたばこのメリット

  • コストが安い
    銘柄や巻き方によって異なりますが、一本当たりの単価が市販紙巻たばこと比較してかなり安くなります。

  • 優れたテイストとカスタマイズ性
    添加物が少ない、またはないため、たばこ本来の味わいを楽しめます。また、違う銘柄をブレンドしたり、巻き方を変化させてカスタマイズすることも自由自在に可能です。

  • ルームノートが穏やか
    喫煙所などで感じる「たばこ臭さ」は、市販紙巻たばこに含まれている燃焼促進剤などの添加物が、原因と言われています。添加物の少ない、またはない手巻きたばこでは、この特有の匂いが少ない、またはしないため、周囲へのマナー面でもメリットがあります。

たばこが日本より高額なヨーロッパをはじめ、諸外国では「RYO(Rool Your Own)」と呼ばれ、愛好家の中ではポピュラーなスモーキングスタイルとなっています。手巻きたばこを始めるには、次のようなものが必要となります。

  1. シャグ(必須)

    たばこ葉を刻んだ手巻き用の葉っぱをシャグと呼びます。20~40グラム程度の容量でパウチに入っており、様々なテイストのものがあります。おおまかな分類ではフレーバー系、ナチュラル系、ハーフスワレ系の三種類で、たばこのキツさを表す「ボディ感」は表記の順番に重くなります。

  2. ローリングペーパー(必須)

    巻紙はローリングペーパーと呼ばれ、様々な材質とサイズがあります。日本国内でポピュラーとなっているのは、70mmの諸外国では一番小さいサイズです。

  3. フィルター(お好みで)

    フィルターをお好みで追加することもできます。プレーンタイプ、メンソールやチャコールタイプもあり、サイズはウルトラスリム、スリム、レギュラーの三種類があります。メーカーによって若干差がありますが、スリムは6mm径、レギュラーは8mm径となります。

  4. ローラー(お好みで)

    手巻きたばこはその名の通り、手を使って「ハンドロール」するのが本来ですが、ローラーという巻き専用の器具を使って手早く、大量に巻き溜めすることもできます。慣れないうちはローラーを使用したほうがきれいに巻けるでしょう。

手巻きたばこの準備

まずシャグを決めます。フレーバー系、ナチュラル系、ハーフスワレ系からお好みのブランドを決めましょう。大まかな指標ですが、普段吸っている市販紙巻たばこのミリ数が1~3mmクラスのスーパーライト級ならフレーバーまたは軽めのナチュラル系、6~8mmクラスならナチュラル系や軽めのハーフスワレ系、10mm以上のボディ感重視の場合はハーフスワレ系や黒たばこから選ぶとよいでしょう。

手巻きたばこを始めてしばらくは、お好みのシャグを探す旅路が始まります。可能な限り、色々なシャグを試してみて、お好みのブランドを探してみましょう。最初のうちは「定番ブランド」からスタートすると、後々の情報収集が楽になります。「定番の〇〇より軽めで甘みのあるもの」など、指標を基準に伝えることができるので、アドバイスも受けやすくなるからです。

次にローリングペーパー、フィルターを決めましょう。市販紙巻たばこのように早く燃焼を進ませたいなら、フリーバーニングのものを、ゆっくりと燃焼させ、ゆっくりと味わいたい場合は、スローバーニングのペーパーを使用します。ペーパーは厚みが薄いほど、燃焼速度が遅く、紙特有の匂いも少ないといわれています。フィルターはお好みの太さ、長さから決めます。長いほどフィルタリング効果は高いのでマイルドになります。現在ではスリムタイプが主流となっており、フィルターと組み合わせることで、シャグの消費量もかなり抑えることができます。最初はローラーも購入されることをおすすめします。レギュラー用、スリム用、両者を切り替えレバーで対応できるものもあります。道具が揃ったらさっそく始めてみましょう。

  1. ローラーを開け、シャグを入れます。シャグは巻く前によくほぐしておくのがコツです(固まっていたりすると片燃えの原因となります)入れる量は経験を積むと慣れてきますが、最初は使用するフィルターより少し高めになるように盛りましょう。フィルターは右側でも左側でもどちらでも構いません。シャグを押しのけるように、斜めに差し込んで入れるとよいでしょう。

  2. ローラーを閉め、軽く手前に回転させます。二つのローラーの間にペーパーを差し込みます。このときペーパーは糊の部分が手前の上部にくるようにしてください。ペーパーは真っすぐにキチンと差し込んだら、ローラーを手前に回し、糊の部分の手前で回転を一旦ストップします。ペーパーが真っすぐにシワがなく、きれいに巻けていたら、糊部分を舐めてから、ローラーをさらに数回回転させます。斜めになっていたり、シワがある場合はペーパーを抜いて最初からやり直します(強引に巻いてしまうと、かなりの確率で失敗します)

    この工程で巻き具合のすべてが決まります。コツはローラーを回しすぎないこと。いつまでもグルグル回していると、巻きがタイトになり、吸い込みが悪くなります。通常は軽く1~2回回すだけで十分に巻けています。また、回す際に奥側のローラーを押さえて、たるみを抑えながら巻くとタイトな仕上がりになります。レギュラー用ローラーでスリムを巻く場合は、このテクニックを使用するとうまく巻けます。

  3. ローラーを開けてたばこを取り出し、巻きを確認します。シガレットケースをお持ちの場合は、これを繰り返し、巻き溜めておくことができます。

こんなときは?(トラブル対処法)

  • 「味わいが辛い、フレーバーや甘みを感じない」

    シャグの乾燥が原因です。たばこ葉は70%前後の湿度が最適といわれており、乾燥が進むと喫味が辛くなり、本来の味わいを著しく損ないます。ヒュミストーンなどを使用して適正な湿度にしてください。加湿は過加湿とならないよう、様子を見ながら慎重に行ってください。80%を超えるような過加湿状態は、カビ発生の原因になります。

    銘柄やストック状態にもよりますが、市販シャグはほとんどのものに、湿度管理が必要と考えてください。適正な湿度管理で、そのシャグ本来のテイストが味わえます。ヒュミストーンがない場合、水を含ませたティッシュや、霧吹き使用などの緊急措置も行えますが、節度をもって行ってください。これらの処置は過加湿の原因になりやすいです。

  • 「吸い込みが重い、吸いにくい」

    この状態を「ドローが悪い」と表現したりします。ドロー悪化の原因はシャグの詰めすぎ、または巻き方の失敗です。シャグの量を減らすか、巻き方を見直してください。意図的にタイトな巻きにすることはアリですが、限度を超えると全く吸い込めなくなる場合があります。


  • 「フィルターなしで吸いたい」

    フィルターなしの場合はシャグの量を増やしてタイト気味に巻きます。葉が口に入るという場合は、フィルターチップを使用するか、シャグを少し抜き取り、端をねじると改善できます。ハンドロールの場合は「コニカル巻き」を使用するとよいでしょう。


  • 「吸いごたえが足りない、軽すぎる」

    手巻きシャグに吸いごたえのあるフルボディと呼ばれるカテゴリーは、ほぼ存在しません(使用する葉や加工製法上、不可能) ボディ感、香りを極めたい上級者の方は、本格的なシガリロやプレミアムシガーに移行したほうがベターです。価格は張りますが、キューバ製の本物のシガリロ(コイーバ、モンテクリストなど)を一度お試しください。味わいがお好みにマッチしたらプレミアムシガーに移行して、頂点を極めるのもよいでしょう。シガー愛好家には、この道筋を通った人が多いようです。