シガリロ入門

シガリロ(小さな葉巻の世界)

シガリロ(ノンフレーバー)とは

  • 小さな葉巻

    中心部のフィラー、外側のバインダーとラッパーとプレミアムシガー(葉巻)とまったく同じ構造で成り立っています。使用されているのは純粋なたばこの葉のみ。世界最高峰といわれるたばこ葉のテイストを、手軽に楽しむことができます。

    ただし、プレミアムシガーは一枚の葉を巻いたロングフィラーでハンドメイドであるのに対して、シガリロは刻んだ葉を巻いたショートフィラーで、通常はマシンメイドです。製品にもよりますが、個体には多少のばらつきがあります。

  • 喫煙時間が短い

    最低でも4~50分はかかるプレミアムシガーと比較して、シガリロは短時間のスモーキングが可能。時間のないときでも、デイリースモーキングが楽しめます。

  • 使用・管理が比較的簡単

    基本的にドライシガー扱いなので、完全な湿度管理は不要。吸い口も最初からカットされているので、着火するだけで楽しめます。

プレミアムシガーをデイリーで楽しむには、高額な投資が必要ですが、その合間をシガリロでまかなえば、かなりコストを節約することができます。普段はシガリロのショートスモーキング、ここぞという時にプレミアムシガー、というスタイルの方が多いようです。いずれにしても、世界最高峰のスモーキングスタイル。テイストや香りの満足感は、紙巻たばことは全く比較になりません。

シガリロはあくまでも葉巻のため、紙巻たばこのようにイージーに吸うことはできません。味わいを正確に楽しむには、正しい手順と吸い方があります。以下を参考にしてください。


  1. パッケージを開けて、まずは方向を確認します。フィルターがなく、葉が巻かれているシガリロは先細りになっているほうが吸い口、太いほうが火をつけるフットになります。着火前に葉の香り、ラッパーの痛みや穴を確認します。

  2. 第一の着火は口にくわえません。片手でホールドし、45度または180度の角度で先端のフィラーをしっかりと炙ります。この工程はロースト(炙り)と呼ばれ、葉巻では常識の手順です。先端のフィラーが全体的に白く炭化するまで、しっかりと炙りましょう。このとき、外側のラッパーをできるだけ焦がさないようにします。

  3. ローストが完了したら、いよいよ口にくわえて着火します。片燃えしないように均等に燃え進むように、しっかりと着火しましょう。

  4. 吸い方はあくまでも「ゆっくりと」紙巻たばこのようにスパスパ吸うようなことはしません。よく言われるのが、「ジュースをストローで吸うように」ゆっくりと吸い込みます。吸い込む感覚も1分間に一回程度のゆっくりとしたペースで、ゆったりと吸います。スパスパ吸うと燃焼温度が上昇し、辛味が増して味を損ねることになります。

  5. シガリロは燃え進むと灰がしっかりと残っていきます。ここで紙巻たばこのようにトントンと叩いて、灰を落とさないようにします。葉巻は可能な限り、灰を落とさずに残しながら楽しみます。落ちそうになった時点で、灰皿で折る程度で十分です。

  • 吸い方のコツ

    シガリロは葉巻なので、基本的に肺喫煙はしません。ここで多くの人が勘違いするのですが、口の中だけでパカパカとふかすのではなく、煙をたっぷりと口に含み、煙を十分に味わうということを忘れないでください。単純に口蓋内で軽くスパスパやるだけでは、味の深みやストーリーを感じることができず、本来の味わいが楽しめません。

    あくまでも原則ですので「絶対に肺に入れない」ということではありません。軽いテイストのものでは肺喫煙も可能ですが、通常のシガリロでは肺に入れると、むせてしまうことがあります。ニコチンとタールは紙巻たばこの比ではありませんが、余計な添加物は含まれていないため、ご自身の好み、体調に合わせて調整してください。

  • ライターについて

    着火はライターまた葉巻専用の長いマッチを使用します。ライターは必ずガスタイプのできるだけ火力の強力なものを使用します。オイルライターは匂いで台無しになりますので、絶対に使用しないでください。一般的な100円ライターでも着火は可能ですが、火力が弱いためローストだけでも1分間以上は必要です。ターボタイプの多フレームタイプのライターがおすすめです。

  • どこまで吸える?

    すべてたばこ葉でできていますので、原理的には全部吸えます。持つ部分を残してなら根本ギリギリまで楽しむことができます。味わいの変化は葉巻同様ですので、根元に近づくほど濃厚になる傾向が多いです。逆に早々とストップしてしまうと、この味わいを放棄することにもなります。

  • 辛くなってしまったら

    ゆっくりと吸う「クールスモーキング」が基本ですが、吸い方が悪いと辛味が出て不味くなります。このときは吸い口から息を吹き込んで、辛い煙を排出するようにします。この工程は「吹き戻し」と呼ばれ、葉巻ではよく使うテクニックです。吹き戻しを行うと燃焼温度が一時的に上昇しますので、しばらく待ってから喫煙を再開しましょう。

シガリロの選び方

  • 最高峰はキューバンシガリロ

    たばこ葉の頂点といわれるキューバ製ハバナ葉を使用したキューバ製のものが、最高峰のシガリロです。味わい、香り、深み、ストーリー性が格段に優れていて、他国のものとは別格の素晴らしさをもっています。これから入門される方はまず、この本物の味を体験したほうがよいでしょう。

    キューバ製シガーは、すべて「ハバノスS.A.」といういわば国営会社から出荷されており、パッケージにキューバンシガーの証明であるワランティシールが貼付されています。御三家といわれる「コイーバ」「モンテクリスト」「ロメオ・イ・フリエタ」のものを選べば、間違いありません(パルタガスなどもハバノスS.A.ですので同様)ただし、キューバンシガーはやはり高額で、シガリロでも一本あたりの単価が150円前後はします。コスト的にはきついものがありますが、まずはこの本物の味を試すのが得策といえます。


  • シガリロの味わい

    味わいの表現は葉巻とまったく同様で「甘み」「酸味」「アーシー(土臭さ)」「ナッティ(香ばしさ)」などの表現がなされます。また葉巻同様に燃え進むにしたがって、味わいが刻々と変化するストーリー性も持ち合わせています。前述のキューバンシガーは、この味わいの深みが別格で非常に優れているため、代替のシガーは皆無です。原材料となる葉が国内で厳格に管理されているため、門外不出となっているためでしょう。

  • コストパフォーマンス

    それでもキューバンシガーをデイリーで楽しむには、やはりコストが気になります。そこで単価100円以下の安価な製品をセレクトすれば、コストを格段に下げることができます。コストパフォーマンスが優れているシガリロの代表格として、よく挙げられるのが、「ゴールドシール」です。簡易的なそっけないパッケージですが、非常に優れたコストパフォーマンスで、ファンの間では有名な製品です。10本入りのペティトはスマトララッパーにジャワ・ブラジルフィラーといった構成ですが、原材料・製法にこだわっているため、同価格帯ではまずライバルがいないほど、濃厚な味わいがあります。メインはキューバン、合間にこういった安価な製品を挟むことで、日々のコストを節約することができます。こういった代替シガリロをリストアップしておきます。

    ゴールドシール(インドネシア)・シガリロ(10本入り) ペティト(10本入り)
    クラブマスター(ドイツ)・ミニスマトラ(10本入り) ミニブラジル(10本入り) ミニブルー(10本入り)
    ノーブル・プティ(デンマーク)・ピュアハバナフィラー(20本入り) スマトラ(20本入り) ドミニカン(20本入り)